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パイプカットとは?なんのため?メリットとデメリット計8つも含め解説!

男性側の避妊治療として知られる「パイプカット手術」。

では、具体的にどのような手術を行うかご存知でしょうか?

患者様からの質問として、

「パイプをカットするということは、パイプのような陰茎(サオ)をカット(切る)ということですか?」

という内容をいただくことがあり、陰茎を切断するような手術と誤解されている人もおられることがわかります。

今回は、正しいパイプカット手術について、情報を開示していきます。

パイプカットとは?

パイプカットは、精子を送り込む精管(せいかん)を切断する避妊手術です。

精管は陰嚢(いんのう)、いわゆるたま袋の中にある管で、左右の睾丸(こうがん)から1本ずつ伸びています。


睾丸でつくられた精子は、精管を通って前立腺でつくられた精液と混ざりあって射精されます。

パイプカット手術は、この精子を運ぶ精管を中間でカットすることで、射精する際に精液の中に精子が含まれなくなります。

パイプカット手術を受けても男性ホルモンが減少するなどの影響はありませんので、通常通りの射精が可能です。

  • 勃起しにくくなる
  • 性感が落ちる

上記のようなこともありませんので、ご安心ください。

パイプカットは何のために行う?

精子が通る管、「精管」を除去することで、どのような効果があるのでしょうか。

パイプカット手術の治療効果について、説明します。

性行為時に妊娠の不安を解消する為

ご存知のとおり、精子が卵子と出会って融合し受精することで、妊娠します(正しくはもっと複雑なプロセスを経ますが、ここでは省略します)。

女性の膣内で射精した精子が卵子のもとへ到着すると、妊娠の可能性が高まります。

妊娠を避ける対策をしてセックスすることを「避妊(ひにん)」といいます。


男性にとってもっとも有名な避妊方法は、コンドームを着用し射精しても精子が膣内に入らないようにする方法でしょう。

  • 女性に避妊具を着ける方法(IUD、女性用コンドーム)
  • ピルを服用して排卵を起こさない方法

上記の方法もありますが、「手術の必要がある」「ピルの服用による副作用がある」ことから、女性主体の避妊を強いることは難しいことが多いです。

パイプカット手術は男性が受ける手術で、陰嚢(いんのう:たま袋)部分を左右1か所ずつ、数ミリ単位で切開して精管を取り出す手術となります。

一定期間が経過したのち、残存する精子がないかの検査を行い、精子の数が「ゼロ」であれば、「パイプカット手術が成功した」と認定され、避妊なしでセックスを行えるようになります。

避妊具の購入費用を無くす為

前述したとおり、もっとも有名な避妊方法は「男性側がコンドームを着用しセックスを行う」という方法となります。

コンドームは薬局で手軽に購入ができますが、その種類にもより1ダース(12枚入り)で

1,000円前後が目安です。

セックスの頻度によりますが、長年コンドームを購入し続ける費用を考えて、パイプカット手術を選択する人もいます。

パイプカットのメリット

男性は痛みに弱いもの。

それでもパイプカット手術を受けるには、相当のメリットがないと決断しづらいでしょう。

パイプカット手術によってどのようなメリットがあるか、解説します。

避妊具が無くても避妊が可能になる

射精した精液に精子が含まれていなければ、妊娠することはありません。

パイプカット手術は、精子が通る精管を除去することで、精子が外に出なくすることを目的にしています。

コンドームを着用せずにセックスし膣内に射精したとしても、精子が含まれていない精液が出ているため受精することはありません。


つまり、妊娠の可能性がなくなります。

コンドームを着用するセックス中のタイムラグがなくなる、望まない妊娠の可能性をなくす、という目的で、パイプカット手術をなさる人は多くおられます。

避妊具を使わないので性行為時の満足度が上がる

コンドームを着用しない男性やカップル、夫婦の意見を聞くと、

  • セックス中にコンドームを着用する際、セックスが中断される形になりそれまで集中していたものがそがれてしまう。
  • いわゆるナマで挿入すると、亀頭のカリの感覚がはっきりわかり快感を得やすい(女性側の意見)。
  • 膣に亀頭が直接こすれるため、快感が増す(男性側の意見)。
  • 妊娠しやすい日かどうか(いわゆる危険日、安全日)を考えてセックスする必要がなくなる。


上記のことから、セックスに集中しやすくなり、より楽しめるようになります。

中高年で勃起の維持が難しくなってくると、コンドームを着用中に萎えてしまうこともあります。

膣が濡れた状態が維持できず、ペニスの挿入時に痛みを感じる女性も多いです。

パイプカット後の身体の変化は無い

パイプカットは精子を生成しなくする手術であり、男性ホルモンが減少することはありません。

ひげや体毛が薄くなる、女性っぽくなる、女性のようにまるみを帯びた体になる、などの変化はありません。

また、勃起が弱くなる、性欲がなくなる、などもないためご安心ください。

パイプカットのデメリット

精管を除去するパイプカット手術を受けることで、どのようなデメリットがあるのでしょうか?

以下、解説します。

一度切った精管はもとに戻せない

パイプカット手術は、陰嚢(いんのう:たま袋)の2か所を数ミリずつ切開し、睾丸からのびる精管を取り除きます。

切った精管がふたたびつながらないよう、電気メスで切った口を焼灼(しょうしゃく:焼いてふさぐこと)し、さらに特殊な糸でしばります。


そのため、精管を再度つないで貫通させることはできません。

つまり、一度切った精管はもとに戻すことはできない、とお考えください。精子は睾丸で生成されますが、やがて体内に吸収されます。

精子がたまって陰嚢(いんのう)がパンパンにふくらんで大きくなる、等のことはありません(男性同士でそういった話をしたことがあるかもしれませんが、あくまで都市伝説です)。

低確率で妊娠する可能性が残る

フェアクリニックで行うパイプカット手術は、精管を完全に取り除きます。

その後の検査で精子の数が「ゼロ」であることを確認し、初めてパイプカット手術が成功したと認定し、避妊なしの手術をOKとしています。


病院やクリニックによっては、「再度精管を通すことが可能なパイプカット手術」を売り出していることがあります。

この方法は、精管をしばって精子の通りを止める、というものです。

ごくわずかながら、精子が外に出てしまう可能性も否定できません。そのため、確率は低いものの、妊娠する可能性はあります。

「精管を除去するパイプカット手術で、その後の検査によって精子の数がゼロとなった」場合は、妊娠する可能性は考えられません。

術後に痛みや腫れが気になる期間がある

陰嚢(いんのう:たま袋)を切除し、中の精管を除去しているため、稀に陰嚢が腫れることがあります。

中で血液がたまり内出血を起こした場合、血液を抜く処置を行う可能性もあるでしょう。

その場合は陰嚢に強い痛みを感じる、出血する、大きく腫れる、ことが考えられます。


通常の経過の場合、手術部位に切り傷のような痛みが出ますが、痛み止めで治まる範囲です。

また、陰嚢がむくみによって一時的にふくらむことがあります。

性病(性感染症)を予防する効果は無い

パイプカット手術後、ほとんどの男性がコンドームを着用せずセックスを行います。

あくまで精子を外に出さなくする避妊目的の手術であり、パイプカット手術を受けても性病の予防にはなりません。


コンドームを着用しないセックスは、粘膜同士が触れ合うため性病にかかる可能性が非常に高まります。

性病を予防する、感染リスクを抑えたい場合は、パイプカット手術後もコンドームの着用が必須となります。

合併症のリスクがある

傷口からの感染、陰嚢内部で血液がたまる内出血など、術後の合併症のリスクはあります。

細心の注意を払って手術を行いますが、万一そのような経過となった場合、フェアクリニックでは無償で処置や薬の処方を行います。

術後の経過で心配がある場合、ご連絡ください。

パイプカット手術の流れ

パイプカット手術を受けるには、どのような手順が必要でしょうか?

ここでは、手術までの手順についてくわしく解説します。

診察カウンセリングを受ける

フェアクリニックは完全予約制で、ご予約をいただいたうえで診察カウンセリングを行っています。

お子さんはいらっしゃるか、お薬や麻酔のアレルギーはないかなどをヒアリングし、手術はの方法(どの位置をどれくらい切るか等)を説明します。

術後の注意事項について説明を受ける

パイプカット手術後は、患部(陰嚢:いんのう)を強くぶつけない、性行為は約3週間禁止などの注意事項があります。

入浴、飲酒、スポーツ、お仕事、自転車やバイクの運転などの注意事項を行います。

患者様によって質問事項は異なるため、疑問点や不安点を伺い、くわしくご説明いたします。

手術を受ける

基本的に局所麻酔を使用し、30~40分ほどの手術となります。

陰嚢(いんのう)の左右2か所、数ミリずつを切開し、中に通る精管を除去します。

多くの場合は吸収糸で縫合し、手術が完了します。

手術後の精管検査・精液検査を受ける

除去した組織がたしかに精管か、を検査センターに提出し検査を受けます(検体検査)。

また、性行為解禁後、30回ほど射精した精液を専用の容器に入れてお持ちいただき、こちらも検査センターへ提出し、精子が残存していないかを検査します。

4~5日ほどで、検査結果が出ます。

精子の数が「残存ゼロ」の場合はパイプカット手術成功、少しでも残りがある場合は再検査を行います。

まとめ:パイプカット手術を検討中の方は実績豊富なフェアクリニックへ

望まない妊娠を避けるために、パイプカット手術は失敗が許されません。

精管ではない管を誤って除去してしまい避妊への効果がなかった、などのトラブルがあると何のために手術をしたかわかりません。


陰嚢を外から触り、精管の存在と位置を確認したうえで切開し、精管の除去を行います。

外からの触診で「精管」と正しく判断するには、担当する医師の経験が大事です。

陰嚢を切除してから精管を探すことは、ほぼ不可能と考えたほうがよいでしょう。

症例数が多くあれば、まず間違いなく外側から精管を確認することができます。

一度のパイプカット手術で成功させるために、手術経験の豊富な当院へお任せください。ご相談をお待ちしております。

柴田 健了(しばた たけのり)

京都大学医学部卒。日本形成外科学会専門医。長年の治療実績、論文の成果が認められた医師のみが認定される日本形成外科学会専門医の資格を持つ。20年以上形成外科・美容外科の専門医として従事し、大手美容外科を経て、フェアクリニック川口院/東京院を開設。クリニックのコンセプト「フェア(正しい・明瞭)」を掲げ、良質な技術を提供。▶公式サイトURL:https://mens.fairclinic.jp/about/