「なぜ自分は包茎なのか?なにが原因なのか?」と悩む人は多くいらっしゃいます。
包茎である原因を探り、それを排除して治したいと思う気持ち、よくわかります。
「大人になれば自然に治ると思ったのに、ずっと包茎のまま・・・」
と、年齢とともに治らないまま成人し、その後改善しないことで悲嘆する人もいます。
「父親や祖父も包茎だった!もしかして遺伝では?」と、遺伝による包茎を疑う人も少なくありません。
本記事では、包茎はなぜ起きるのか?なぜ自然に治らないのか?を考察していきます。
包茎の原因は種類ごとに異なる
包茎の状態は、以下に分類されます。
- 「まったくむけない真性包茎」
- 「締め付けがきついがむくことができるカントン包茎」
- 「スムースに亀頭を露出できる仮性包茎」
特に仮性包茎と真性包茎は、よく耳にする状態かと思います。
大きく3つの状態に分類される包茎ですが、具体的にどのような違いがあるのかを考えましょう。
真性包茎
包茎の中でもっとも重い状態となる「真性包茎」。
ペニスを覆う皮の先端が非常にせまく、皮をむこうとしても亀頭の飛び越すことができずむけない状態を言います。
むいて洗うことができないため大変不衛生で、炎症などの病気を引き起こす要因となります。
また、締め付けがペニスを抑え込むため、以下の機能面でのデメリットが多いです。
- ペニスの成長がなされず小さいままである
- 十分な太さや長さが得られないため女性の膣をしっかりとこすれない
- せまい皮の先端が亀頭を締め付けるためセックス時に痛みを伴い苦痛
仮性包茎
日本人の8割がそれと言われるもっともメジャーな包茎が、「仮性包茎」です。
包皮が余っているため亀頭が皮で覆われていますが、皮の先端に締め付けがないため容易にむいて亀頭を露出できる、陰茎を締め付けることがない状態を言います。
皮をむいて洗うことができる、勃起すると亀頭が出やすいなど、真性包茎やカントン包茎に比べると軽い状態と言えるでしょう。
以下の見た目・衛生面・機能面のデメリットを感じる人もいます。
- ペニスの見た目が子どものおちんちんのように見える
- 常にジメジメし汚れがたまりやすくにおいを発する
- 亀頭が敏感で早漏になりやすい
18~20歳前後で仮性包茎の場合、自然に包茎が治っていくことは考えにくいと思ってください。
カントン包茎
もっともなじみのない包茎が、「カントン包茎」だと思います。
真性包茎ほどではないものの皮の先端に締め付けがあり、仮性包茎のようにスムースにむけない状態です。
締め付けのレベルは以下の個人差があります。
- 平常時に無理をすればむけるが勃起時にはむけない重度の状態
- 平常時は容易にむけるが勃起時にむけない中程度の状態
- 勃起時もむけるが陰茎を締め付ける軽度の状態
セックス時に不意に皮がむけてしまい、締め付けて皮が戻せないケースもあるため、注意が必要です。
カントン包茎の手術を行う場合、先端の締め付けの強さによっては締め付けを除去する必要があり、「絞扼除去(こうやくじょきょ)」という治療を行うことがあります。
包茎が原因で生まれる男性のよくある悩み
包茎で悩む人は大変多くおり、年間を通して多数のご相談がクリニックへ寄せられます。
悩みの度合いはそれぞれですが、強いコンプレックスで自信をなくし、女性にアプローチできない、人前で脱げないため温泉やサウナに入れない、などの人もおられます。
包茎によってどのような悩みを持つのか、来院される患者様のご相談を例に挙げながら説明します。
温泉での羞恥心
包茎で亀頭が出ていない状態は、子どものペニスと同じように見えます。
いわゆる「包茎によるペニスの見た目」で悩む人は多く、幼く見える、小さく見えるなどが悩みの原因となるようです。
診察時に患者様から、「人前だとついつい見栄むき(みえむき)しちゃうんです」と言われたことがあり、そんな言葉があるのか、驚いたことがあります。
「見栄むき」とは、かぶっている状態が恥ずかしいから人前で脱ぐときに「サッと皮をむく」行為を言うそうです。
仮性包茎ならでは、ですね(カントン包茎ではサッとむくことは難しいので)。
勃起していない平常時に皮をむき、亀頭が出た状態が維持されれば、包茎で悩む人はかなり少なくなると思います。
ただ、包茎は包皮の圧迫によって亀頭や陰茎の成長を阻害するため亀頭が小さい、カリの張りが弱いため、仮性包茎で皮をむいたままを維持が難しいことがほとんどです。
見栄むきしても、短時間で皮が戻ってしまうでしょう。
包茎で子どものおちんちんのような見た目がコンプレックスとなり、
- 温泉やサウナなど人前で脱ぐ場所を避ける
- ゴルフやスポーツジムなど人前で着替える場所に行かない
- 団体で風呂に入ることになる社員旅行を長年断る
などの「包茎ペニスの見た目が悩み」というご相談は多く寄せられます。
患者様の中には、むいて亀頭を出した状態を維持して温泉に入るために皮を輪ゴムでとめる、クリップでおさえる、などの対応をする人もいらっしゃいました。
包皮を傷つける原因となるので、絶対におすすめしません!
恥垢(ちこう)がたまりやすい
ペニスは体に不要となった成分や毒素を外に排出する、排尿の機能を持つ器官です。
排泄物を体外に排出する場所のため、ペニスが不衛生になる場所となるのは仕方がないと言えます。
亀頭に付着した尿、垢、精子のカス、ほこり、汗などの「汚れ」が包皮に覆われて蒸れることにより、白いノリ状の「恥垢(ちこう)」が生成されます。
恥垢はベタベタと粘着質で、非常に不快なにおいを発します。
自分自身だけでなく、セックス時にペニスに近づく女性に「くさい不潔なもの」と認識され、敬遠されることとなります。
男性に清潔感を求める女性にとっては、「汚れたくさいペニス」が受け入れられないのは当然と言えるでしょう。
なお恥垢がたまりやすい包茎のペニスは女性に拒否されるだけでなく、包皮炎などの炎症やペニスの病気を引き起こす原因となります。
毎日の入浴・シャワー浴の際にできるだけ亀頭をしっかりと出して洗う、常に皮をむき亀頭を乾燥させることを心がけ、恥垢をためないように気をつけてください。
早漏・短小で自信がなく、女性に消極的な人生
包茎で亀頭が常に守られていると、外の刺激に敏感で射精が早い「早漏(そうろう)」の状態となります。
さらに、勃起しても皮が亀頭の下でアコーディオン状に余っていると、女性の膣(ちつ)に挿入したときに皮が揺れて陰茎に強い刺激が加わり、我慢できずに短時間で射精してしまう状態となります。
男性側は早漏でも射精ができたから満足にセックスを終えられますが、女性側は膣に挿入され短時間でピストン運動が終了するため、気持ちよさをさほど感じず不満なままで終わることになります。
また、包皮の圧迫によってペニス全体の成長が妨げられるため、「亀頭が小さい」「陰茎(サオ)が細い」「ペニスが短い」という、いわゆる「短小(たんしょう)ペニス」が多いことも包茎の特徴です。
短小ペニスは以下のようなデメリットがあります。
- 凹凸がなく女性の膣をこすることができない
- 圧迫感を与えられないため、セックスで快感を与えにくい
いわゆる「性の不一致」は、セックスが男女で合わないことを指し、離婚の原因でも上位となります。
セックスにおいて男性側が女性に不満を持つことは少なく、「性の不一致」は女性が男性の早漏や短小に不満を持つ言葉だといえます。
包茎ペニスはセックスで女性を満足させられない、「性の不一致」の一因にもなります。
入院・介護で迷惑をかけたくない
若い人はピンとこないかもしれませんが、中高年以上の包茎の人は自分が「介護で周囲の世話になる」「病気などで長く入院する」ことを想定して手術を検討することがあります。
寝たきりになった場合、ベッドで動けず、家族や看護師、介護士に身の回りの世話を頼むことになります。
体をふいてもらう、着替えを手伝ってもらうなどの世話をしてもらうため、以下のようなことを気にする人も多いです。
- 包茎で見た目が気になる
- 不快なにおいを発する
- 恥垢がたまり汚れたペニスであるために衛生面で迷惑をかける
人は必ず年を取り、周囲のお世話になることは避けられません。
元気なうちに迷惑をかけない準備をしておくことは、大事だと思います。
包茎はなるべく早く克服するべき?手術の必要性とは
ここまで、「多くの人がなぜ包茎で悩むのか?」「包茎はどのようなデメリットがあるか?」をお伝えしました。
様々なデメリットから生活上の不都合を感じ、悩む原因となっていることがおわかりいただけたと思います。
18歳~20歳前後の年齢で包茎の場合、将来的に自然に治ることはまずありえません。
包茎を解消するには余分な皮を取って縫合する「包茎手術」がもっとも効果的な手段となるのですが、手術を受けることによってどのようなメリットがあるのでしょうか?
包茎手術を受ける意味と必要性について、考えましょう。
手術をするメリット①「常にむけることで衛生的」
亀頭が常に露出すると恥垢がたまりにくく、乾いていてとても清潔なペニスになります。
ジメジメした環境にないためにおいも出にくいので、包茎でないことは衛生面において大きなメリットとなります。
前述しましたが多くの女性がセックスのパートナーとなる男性には清潔感を求めるため、包茎手術によって清潔なペニスになると喜んでもらえるでしょう。
手術をするメリット②「大きなペニスに見える」
亀頭が外に露出すると、大人のペニスに見えます。
また、皮によってペニスは体内に埋まりこみやすくなるため、包茎ペニスは短くなりがちです。
包茎手術によって亀頭が出る、ペニスが外にだらんと垂れることで、大きなペニスに見えるメリットがあります。
包茎手術によって堂々と人前で脱げるようになった、という男性は多くいらっしゃいます。
手術をするメリット③「セックスの機能がアップする」
もともと敏感な器官である亀頭ですが、包茎手術で常に露出すると外の刺激に慣れていきます。
感覚が鈍るのではなく、セックス時の射精がコントロールしやすくなります。
また、勃起時に亀頭下に集まる余分な皮がなくなると、亀頭がしっかりと張った状態となり、段差のあるメリハリあるペニスとなります。
女性の膣に挿入したすると、亀頭と陰茎の段差がありこすりやすくなるため、刺激と快感を与えやすくなります。
早漏と短小が解消することで男性はセックスに自信を持ち、女性に対して積極的になる、イニシアチブをとれるようになる点が大きなメリットです。
まとめ:包茎の原因は「遺伝」が大半を占める?
体が成長する過程で包茎が治るか否かは、亀頭が大きく育つか、陰茎が長く太くなるかも大きく関係します。
ペニスが十分に大きく成長することで、包皮先端の締め付けが亀頭が大きくなるとともに広げられる、皮が後ろに下がり亀頭が露出した状態を維持できることで、包茎でなくなるからです。
体型は遺伝的な要素も大きいため、ペニスの大きさ、成長度合いも遺伝性が関係すると言えなくはないでしょう。
父親のペニスの大きさが子に遺伝することは考えられるため、「包茎は遺伝的要素が強い」と考えてよいと思います。
ただ包茎となるか否かは、ペニスが大きく成長しやすいだけで決まるものではありません。
幼少期から包皮の締め付けがなくなるよう、親が入浴時に皮をむくトレーニングをしてあげる必要があります。
早い段階で皮がむけ亀頭が露出しやすくなると、ペニスが本来の大きさ・長さに成長するため、包茎ではないペニスに仕上がると考えます。
男性自身が包茎について自覚する頃には、特に行える手立てはありません。
遺伝だけでなく、「親が子の包茎を気にするか」という環境も必要となります。
男の子を育てることになった親御さん、将来的にお子さんを持つことをお考えの人は、「包茎ペニスにしないための工夫」を意識して、子育てをなさってください。