皮の先端の締め付けが硬く、むいて亀頭を出すことができない状態を「真性包茎」といいます。
仮性包茎と並んで、よく耳にする包茎の状態と言えるでしょう。
この真性包茎を自力で治す、という方法がネットやSNSで紹介されているそうなので調べてみました。
「真性包茎を自力で治せるか?」について、専門医としての見解を記載します。
真性包茎でお悩みの人は、ぜひ参考になさってください。
真性包茎の自力での治し方とリスク
真性包茎は「皮の出口がせまく、亀頭が露出できない」状態を言います。
先端が硬く締め付けている、いわば「きつい輪ゴムや針金で封をされた状態」です。
この硬い締め付けを自分の力で広げ、亀頭を露出することなどできるのでしょうか?
また、自力で治すことにリスクはないのでしょうか?
専用の治療器具を使用する事で治せる場合も
ネットやSNSで紹介される「真性包茎を自力で治す」方法は、かなり衝撃的でした。
端的に言えば、「皮の先端を自力や器具で広げ、亀頭を出しやすくする」というものだからです。
自力で治す方法は、「自分の指を皮の先端に入れ、左右に引っ張る」というなんとも野性的な方法でした。
それでもダメならば・・・と、その下には「真性包茎を器具で治す方法」が記載されています。
数十年前から雑誌やスポーツ新聞の通販で売られている器具(あえて名称は書きませんが)がいまだに幅を利かせており、「数万円の器具で自分で治せる!!」と宣伝しています。
器具ははさみのような形状をしており、はさみの先端を皮の出口に差し込み、左右に開いて締め付けを緩めるというものです。
なんのことはない、あたかも「自分の指で真性包茎を治そう。それでも無理ならば、器具を買おう」という、広告です。
包茎手術は危険だから器具が安全なんだ!という主張が、これでもかと書かれています・・・。
包皮と亀頭が癒着している場合は自力での対処は難しい
上記のような、自分の指や器具で皮の締め付けを広げる方法は、包皮の内側と亀頭が一体化している「癒着(ゆちゃく)」を起こしている場合は行えません。
指や器具を入れてもまったく広げられない場合、中がくっついている可能性があるため、そこで自力で治すことはあきらめて、医療機関へ相談するようにしましょう。
成人まで包皮と亀頭が癒着している場合、指や器具で治ることはまずありません。
絶対に無理に行わないようにしてください。
専用治療器具の使用により包皮や亀頭を痛める可能性がある
年間で数例、自分の指や器具で真性包茎を治そうとして失敗し、クリニックへ診察に来られる人がおられます。
器具や指で無理に皮の先端を引っ張り、切れてしまう、傷つけて炎症を繰り返してしまう、などの可能性があります。
皮の先端が切れることで炎症を起こし、尿や汗で汚れてなかなか完治せず、先端の皮膚が徐々に硬くなってより真性包茎やカントン包茎の状態が悪化し、むけない包茎となります。
目や鼻の穴、耳の穴を横に広げたり器具で広げようとしても、皮膚を傷つけるだけで穴が広がるわけがありません。
「真性包茎を器具や指で広げる」というのは、それと同じことなのです。
自力での無理な治療は亀頭が壊死する恐れがある
皮の先端がわずかに広がる場合、無理やりにむく行為に走る人もいます。
一度どうにかしてむけば、その後もむき続けることができ、やがて先端の締め付けがゆるんでいくと考えるようです。
そのような指南をしているサイトもあり、それを鵜吞みにして行う人もおられます。この方法は大変危険で、亀頭が壊死(えし)することがあります。
仮性包茎やいくらかの締め付け程度のカントン包茎であれば、繰り返しむくことでゆるむ可能性はなくはありません。
しかし、ほどほどの締め付けのカントン包茎や真性包茎の場合、皮膚自体が硬く弾力もないため、無理にむくと陰茎を締め付け、食い込んでいきます。
血流(けつりゅう)、いわゆる血の巡りが悪くなり(これをうっ血といいます)、亀頭への血流がせき止められると亀頭が腐って落ちてしまう状態、つまり「壊死(えし)」を引き起こすのです。
一般の泌尿器科でも、カントン包茎や真性包茎を無理にむくことは壊死の危険性からすすめておりません。
成人男性で、皮を下に下げても尿道口がほぼ見えない状態の包茎の場合は、無理にむくことはやめましょう。
真性包茎である事のデメリット
自力や器具で治すことが困難な真性包茎は、どのようなデメリットがあるのでしょうか?
見た目、衛生面、機能面でどのような点が問題になるのか、挙げてみましょう。
包皮の内側に細菌が溜まり悪臭や痒みが発生
亀頭を露出できない場合、皮と亀頭の隙間には尿・汗・垢・ほこり・精子のカスが長年現れることもなくたまっていきます。
歯磨きをしない口の中や洗わない肛門と同じで、汚れによって細菌が繁殖し、においを発し炎症を起こすこともあります。
炎症によってかゆみが出ることもあり、清潔にできない分、どんどん悪化していきます。
真性包茎は「不衛生の極み」とも言える包茎で、女性もそのようなペニスをくわえる、膣に入れることを嫌がり、そもそも触ることも抵抗を感じます。
衛生的な観点からも、真性包茎は放置すべきではありません。
早漏・遅漏の原因になる
亀頭が露出できないため、亀頭が過敏で刺激に弱い「早漏」であることが多く見られます。
逆に外の刺激にまったく触れることができないため、亀頭が快感を得ることができず「遅漏(ちろう)」のケースもあります。
マスターベーション(オナニー)によって、自分の手の力で握れば感覚はあり射精に至るものの、手よりも圧力の弱い女性の膣内では快感を得ることができずに、射精ができない人もいます。
膣内で射精ができないと妊活(子作り)に影響するため、奥様が真性包茎のご主人を連れて受診されるケースもあります。
正常な性行為が出来ない
真性包茎は無理に皮を引っ張ると、皮の先端が亀頭に食い込む、無理に開かれようとする、ということから痛みを伴うことがあります。
セックスのパートナーである女性がそれに気づかず、ペニスを握って下に下げた瞬間に、失神するほどの激痛を生じる人もいます。
また、膣へ挿入しても痛みで動かせない人もおられます。
正常な性行為(セックス)が困難なため、離婚事由になることもあります。
(前述したとおり、膣内で射精できないケースも多々見られます)
真性包茎の治し方は自力よりも専門医による治療を推奨
結論から言えば、ある程度の年齢以降で自力で真性包茎を治すことは困難だと考えます。
締め付けが強い状態は、外からの力でどうこうできるものではありません。
(自分で治したい気持ちは理解しますが…)
私は専門医として安全に真性包茎を治す方法は、「包茎手術が唯一の方法」と考えています。
先端の締め付けを取り除かない限り、安全に真性包茎を治すことはできないからです。
経験豊富な専門医による治療を受けられる
数多くのクリニックがありますのでしっかりとした医療機関・医師を選ぶことが大変重要ですが、調べれば症例が多い専門医を見つけることができます。
専門医の診察を受け、手術方法をくわしく聞き、納得できる、安心して手術を託せると思えたら手術の依頼を検討するとよいでしょう。
クリニック側に無理にすすめられて受けるものではありません。一生に一度の大事な手術です。
ダウンタイムや料金、仕上がりの予測に納得ができて、初めて検討するようにしましょう。
自力での治療とは違い「痛みや壊死の可能性」が無い
自力や器具を使って無理やり皮をむく方法と違い、包茎手術は皮の締め付けで亀頭をうっ血させる心配はありません。
亀頭への血流が悪くなり壊死を起こす、などの可能性は手術ではありえません。
無理にむくことで生じる、締め付けられる痛みを感じることもありません。
真性包茎の手術はまず締め付けを除去することから始めますので、うっ血や締め付けによる痛みは出ませんので安心してお任せください。
手術後の仕上がりが綺麗
私も柴田も、真性包茎を「亀頭直下法」で行っています。
皮の締め付けを除去し、亀頭の真下で皮を切除、縫合する方法です。
業界で「もっとも美しい包茎手術法」と評価されるのが、この「亀頭直下法」「亀頭直下埋没法」です。
真性包茎を治したいけれど周囲にバレたくない、という人にはもっとも適した方法です。
美しく仕上げたい人は、ぜひネオ形成外科へお任せください。
真性包茎の治療に関するよくある質問
「手術を受けたいけど不安」という人は少なくありません。
痛みや機能面、仕上がりの見た目など、様々な不安要素があるでしょう。
専門医が行う真性包茎手術について、ご説明します。
手術中に痛みは感じる?
ほぼ100%の男性が、包茎手術の際の痛みを心配されます。
そういった男性を対象に手術を行っていますので、私たちは「手術中の痛みゼロ」を目標に施術しています。
注射で行う局所麻酔でも、極細い針を使って麻酔を行うため、皮をつねられる感覚で麻酔は終了します。
また、ご希望に応じて塗るタイプの麻酔である麻酔クリームや、居眠りの間に手術を終える無痛麻酔などを用意しています。
痛みが不安な人も、ぜひご相談ください。
手術後の傷跡は目立つ?
ネオ形成外科は私柴田をはじめ、長年の経験を持つドクター陣が担当しますが、包茎手術は亀頭直下法で行っています。
締め付けの除去と亀頭の真下で切除・縫合するのは難易度が高い手術なのですが、経験ある医師であれば美しく仕上げることを前提にデザインし、施術しています。
見た目もきれいに仕上げたい、周囲に手術を受けたことがバレたくない、という希望にもお応えしております。
勃起や性感帯に影響は出ない?
包茎手術によって、勃起や性的な感覚をつかさどる神経を傷つけることはありません。
包皮の浅い箇所を切除・縫合するため、そのような大事な機能を損なうことはありえない、とお考えください。
真性包茎の状態から急に亀頭が露出すると、常に乾いた状態でかつ外の刺激に慣れた状態となるため、はじめのうちは性的な感覚が変わり射精まで時間を要するかもしれません。
しかし、勃起や性感に異常が出ることはありませんのでご安心ください。
まとめ:真性包茎は自力で治すのではなくネオ形成外科へご相談を
繰り返しますが、真性包茎の状態は自力では治せません。
器具を使って改善することもなく、むしろ皮を傷つけてよりむけにくくなるなど、リスクを伴います。
真性包茎を治すのは、包茎手術が唯一の方法だと考えます。専門医として仕上がりの美しさ、安全性を考えた術式で施術しております。
安全に真性包茎を治したい人は、どうぞ私たちネオ形成外科へご相談ください。
診察のうえ丁寧に説明し、満足できる手術をご提供します。ぜひお任せください。