包茎とは、亀頭が皮で覆われた状態を言います。
体の成長とともに亀頭や陰茎海綿体など、ペニス全体が大きくなっていき、自然に皮がむけ亀頭が露出するようになります。
しかし、何歳になっても皮がむけない、亀頭が覆われたままの人もいらっしゃいます。
本記事では、「包茎は大人になれば解決するか?」「包茎はいつまでに治るのか?」にフォーカスし、「包茎と年齢」について解説していきます。
また、包茎手術をご検討されている方向けに、費用や保険適用に関して以下の記事で詳しく解説しております。この機会にご覧いただけると幸いです。
【参考記事】:包茎(ほうけい)手術の費用相場は?保険適用には隠れたリスクも…
包茎はいつまで続くのか年齢毎に解説
「何歳までかぶっていたら包茎ですか?」
実はこの質問、大変多くいただきます。
幅広い年齢層が疑問に思っている内容で、中高生から50〜60歳代の人から相談を受けます。
大人になるにつれて包茎は自然に治るもの、とお考えの人も多いのですが、実際はどうなのでしょうか。
年齢によって包茎の状態は変わるのか、考えていきましょう。
新生児は包茎の状態
うまれたばかりの男児は、みんな包茎です。全員、真性包茎の状態とお考えください。
亀頭は完全に包皮に覆われているだけでなく、皮の出口となる先端部分は硬く閉じています。
また、亀頭と包皮の内側はくっついて一体化した状態(癒着:ゆちゃくといいます)です。
月齢数か月の早い段階から、親御さんが皮を少しずつむき中を洗ってあげると、包皮の中は清潔になり亀頭と包皮も離れやすくなります。
毎日のように皮を引っ張って、できるだけ亀頭の先まで出すようにしていると、だんだんとむける範囲は広がっていきます。
皮の先端の締め付けも徐々にやわらかくなるため、あとあとカントンや真性など重篤な包茎で悩むケースは少なくなります。
最近は〇か月検診、〇歳検診などで小児科のドクターが男児の亀頭が出るかどうかをチェックすることが多いそうです。
皮がむけず亀頭が出せない場合、小児科のドクターからパパやママへ、皮のむき方、洗い方の指導があると聞いています。
特にママさんは包茎に関する知識、早めにむくことのメリットなどがわからないため、小児科ドクターからそのような指導があることは大切だと思います。
「無理に皮をむくと子どもが痛がり泣いてかわいそう」
と言う親御さんがいますが、そのままむけない状態で大人になってしまうほうがデメリットが多く「かわいそう」かもしれません。
3~4歳では約半数がややむける包茎
3~4歳になってくると、成長に合わせて亀頭がふくらみ陰茎が長く伸び始めます。
それに伴ってせまかった皮の先端が徐々に広がり、亀頭と包皮のくっつき(癒着:ゆちゃく)も解消され始めるのです。そして、だんだんと皮がむける範囲が広がり、亀頭を露出しやすくなります。
また、入浴時に亀頭を出せる範囲まで皮をむき、しっかりと洗うようにしましょう。
子どもが痛がる、くすぐったがることもあるかと思いますが、洗わずに汚れをため込むと炎症を起こすことがあります。
なお、まだまだ皮の締め付けが十分に広がっていないことも多いため、無理にむいて戻せなくなると危険です。
毎日少しずつ皮をむく範囲を広げる、というトレーニングを続けるとよいでしょう。
11~15歳で約3割がほぼむける包茎
この年齢になってくると、体の成長の度合いが各個人によって大きく差が出ます。
身長や体格が大きく異なり、同様に亀頭や陰茎の長さなどペニスの大きさも個人差があります。
「小学生や中学生の修学旅行などでお風呂でペニスの見せあいっこをして、周囲と比べて自分がすごく小さいことを自覚した」という方もいます。
この頃になると、ペニスの成長に合わせて亀頭と包皮のくっつき(癒着:ゆちゃく)ははがれ、亀頭を露出しやすい状態となります。
皮の先端の締め付けもだいぶ広がり、手を使えば亀頭を容易に露出できる人も多くなっていきます。
包茎が剥ける時期は思春期頃
これまでは新生児から「15歳前後までの包茎」について述べましたが、この年齢まではまだ皮の先端の締め付けが強く、自分ではむけないこともあります。
周囲とペニスの成長が異なり、友人同士で話しているうちに、「自分のペニスは異状なのでは?」「包茎のままなのは自分だけでは?」と焦りや劣等感を抱くこともあります。
日本は男子に向けた学校での性教育が遅れているため、自分のペニスについて正しい情報を得る機会がなく、コンプレックスを抱く人も少なくありません。
思春期にもんもんと自分の体やペニスの成長・形状について悩むことは多いですが、実はこの時期はペニスが大きく成長しむけやすくなる、亀頭が露出することができるようになる可能性があります。
包皮が常に亀頭や陰茎を圧迫していると、成長を妨げる要因となります。
無理に皮をむき亀頭が締め付けられると危険なため、少しずつできる範囲までむいた状態を維持し、それを繰り返すことで体の成長に合わせてペニスも大きくなっていきます。
亀頭が成長するとカリ首が大きくなり、皮が引っかかりむけるようになるのです。陰茎が伸びるとその分皮がうしろに下がり、亀頭が露出した状態を維持できるようになります。
思春期を過ぎれば一般的には自然に剥ける
これまでお伝えしたように、幼少期から思春期にかけて体の成長とともに、ペニスも成長します。
ペニスの成長とは、「亀頭が大きくなり、陰茎が伸びること」を指します。
成長とともに亀頭と包皮の癒着が解消される、亀頭の大きさで皮の先端の締め付けが広がる、よって亀頭が露出しやすい環境が整います。
思春期を終えると体の成長も止まることが多いため、その先でペニスの環境が変わることは考えにくいでしょう。
上記の理由から、思春期を過ぎれば包茎は解消されむきやすくなる、と言えます。
体の成長過程で「包茎ペニスでむくことができない」と悩んでいる人は、まだまだこの先で包茎が解消されるチャンスがある、とお考えください。
思春期前の時期に無理に剥く事は危険な場合も
「包茎か包茎でないか」の差は、皮の余りの多さ以前に「皮の先端の締め付け問題」があります。
皮の先端の締め付けが強ければむくことができず、亀頭を露出することが非常に困難であるためです。
いわば、皮の締め付けはペニスの成長を妨げる元凶、と言えるでしょう。
締め付けがゆるくなり亀頭が露出しやすくなると、体の成長に伴ってカリ首が張りかぶりにくくなる、陰茎が伸びて皮が根元側に下がりむけた状態が維持しやすくなることは前述したとおりです。
新生児から幼児期にかけては包皮先端の締め付けが非常に強く、尿が出るほどの穴しか開いていません。
締め付けている箇所の皮膚は分厚いゴムのように硬く、亀頭内部の癒着もあいまって皮を根元側に下げてむこうとしてもびくともしません。
先端の締め付けを広げるためには、亀頭が徐々に大きくなり内側から皮の先端を押し広げる、いわゆる自然に任せる方法が一般的です。
自分でできることとしては、外側から少しずつ繰り返しむくことで、締め付けを広げていくというやり方があります。
入浴時に皮がやわらかくなった状態のときに、トレーニングのように皮を少しずつ少しずつむくことで亀頭が見える範囲が広がっていきます。
ここで気をつけなければならないのは、急がないこと、無理をしないこと、です。力任せに無理やり皮をむき亀頭を露出させると、戻せなくなってしまうことがあります。
締め付けが亀頭の真下でひっかかり、亀頭の先まで皮を戻せなくなるためです。
時間の経過とともに締め付けが強くなり、亀頭の下の皮はむくみ、マフラーで巻かれたような形状となります。
亀頭の真下を太い輪ゴムや針金で絞めた状態となり、亀頭へ血液が送られなくなります。
この状態で数時間が経過すると、「壊死(えし)」を起こす可能性も…。血流が止まることで亀頭の組織や細胞が死に、皮膚そのものがだめになってしまう状態です。
皮膚は真っ黒い墨のような色になり、やがてその箇所の皮膚は落ちて欠けてしまいます。
皮の締め付けがあるにもかかわらず無理やり皮をむき、そのまま寝てしまい、亀頭が壊死を起こすケースもあります。
非常に危険なため、締め付けがあるうちは絶対に無理にむかない、むいたままにしないよう気をつけましょう。
包茎である事をいつから気にするべきか
中学生から高校生のいわゆる「思春期男子」は、ペニスについて興味津々だと思います。
友人同士で自分は包茎か、包茎ではないか話すこともあるでしょう。
思春期に包茎であってもやがてペニスが大きく成長し、皮がむけやすくなることも多くあります。
そのため思春期に包茎であってもあきらめず、数年のうちに治っていくこともあります。
ペニスの成長は18-20歳前後までには完全に止まると言われているため、その年齢以降で包茎の場合は、「この先、自然に治ることはない」と考えるべきだと思います。
もちろん、皮の締め付けがある場合は入浴時に少しずつむくトレーニングをするなど、自分自身で行えることはやっておくべきです(くれぐれも無理はしないことです!)。
ただ、ペニスが成長し包茎が自然に治る時期は終わってしまったことを自覚し、「包茎である自分」と向き合うべきだと思います。
成人前なら様子見するケースが大半
前述したとおり、成人までは包茎であってもペニスの成長によって包茎が改善することを期待してよいと思います。
無理に手術を検討する必要はなく、なるべくむきやすい環境を整える、むける範囲で亀頭を露出させて洗うなど清潔を心がけるとよいでしょう。
性行為の機会もまださほど多くはないため、成人になる前は多くの人が包茎を放置している状態だと考えます。
成人(20歳)後の包茎は治療を検討すべき場合も
20歳を過ぎても包茎である場合、「もうペニスの成長はない」と考えるべきです。
この年齢からペニスが劇的に成長し、包茎が自然に治る可能性は非常に低いとお考えください。
包茎のままで抵抗がなければ問題ありませんが、強いコンプレックスを抱く人も多くおられます。
残念ながら自分で包茎を治すことは不可能なため、悩んでいるならば治療を具体的にお考えになってもよいと思います。
「いつか自然に治る、手術や治療は必要ない」
と思いながら悩みを抱えて生活している人は、どこかで決心してクリニックで相談することを検討なさることをおすすめします。
まとめ:包茎は「いつまでに治るか」を気にするよりも手術での治療を推奨
年齢によるペニスの成長と包茎の移り変わりを説明してまいりましたが、おおむね20歳が「ペニスの成長が見込めず、包茎が自然に治らない年齢」とお考えいただくとよいと思います。
「自然に治らないならば包茎手術を受けよう」と切り替えて考えられる人は少なく、20歳を過ぎても「自分の包茎はいつか治る」と期待し続ける人もいます。
50~60歳代になってようやく諦めがつき、入院や介護を意識して手術を検討する人も多くおられます。
包茎手術を行う医師の立場からすると、20歳から数十年ものあいだ包茎で悩んだ人は、自分のペニスに強いコンプレックスを抱いているケースが多いです。
女性に消極的である、温泉やサウナを避けるなど、本来楽しみたいことを諦めながら生活して来られたという経験談を多く耳にします。
一方で、包茎は手術によって、きれいに治すことができます。勇気をもって踏み出すことで自分に自信を持つことができ、様々な点で積極的になります。
「たかが包茎を治すだけで人生が変わるわけない」と思われるかもしれませんが、包茎手術を機に自信を持ち明るくなった人を大変多く見てきました。
いきなり手術を決心することは難しくても、まずは長年の悩みを相談してみませんか?まずは、お気軽にご相談をお待ちしております。