ネオ形成外科へ診察に来られる中に、「20歳を過ぎたら包茎は自然に治ると思っていた」とおっしゃる患者様がおられます。
そのように考える人はけっして少なくなく、「大多数がそう思っている」と言ってよいと思います。
実際に「20歳を過ぎると包茎は自然に治るのか?」「なぜそのような考えを持つ人が多いのか?」を考えてみましょう。
包茎は20代でも普通のこと?
20代で包茎であることは、けっして珍しくはありません。
程度の差はありますが、日本人の8割は「包茎」と言われています。
つまり、「日本人男性のほとんどは包茎の状態」ということです。
20代でも包茎であることは特別ではなく、むしろ「普通」と考えてよいと思います。
20代でこの種類の包茎だと緊急性は高い
20代の包茎が普通なのであれば、放置しておいてよいものでしょうか?
答えは「包茎の状態による」です。
仮性包茎などの「スムースに皮がむける状態」であれば、差し迫ったデメリットはありません。
人前で裸になった際の見た目や、汚れがたまりやすいなどので衛生面、亀頭が弱くセックス時の射精が早い早漏など、仮性包茎でも困る要素はあります。
ただ、本人がさほど気にしていないならば、仮性包茎はそのままでもよいと考えます。
ただし、「真性包茎」や「カントン包茎」の場合は、日常生活において大きなデメリットが生じやすいです。
時として緊急性を要する事態を招くこともあるため、それらの包茎の場合は専門医による手術をおすすめしています。
真性包茎
仮性包茎と並んでメジャーな包茎、「真性包茎」。
いわゆる「皮の先端の締め付けが強く、むけない状態」の包茎をいいます。
物心がついてから一度もむいたことがない、という人も多く、無理に皮をむくと先端が切れてしまうこともあります。
真性包茎でもパートナーを伴ったセックスは可能ですが、「膣内で射精まで至らない」「妊活時に精子に影響する」などのデメリットがあります。
包皮の中で生まれてからの汚れがずっと蓄積されているため、射精した精子に混じって汚れが女性の膣内に放出されると考えられています。
膣への衛生面に影響することはもちろん、精子が汚れに覆われて勢いがなく卵子まで到達できず、正常な妊娠が困難となるケースもあります。
また、亀頭が包皮で完全に覆われていると、亀頭は正常な感覚・刺激をえることができません。
手の圧力による性行為(マスターベーション、オナニー)での射精はできるものの、圧力が弱くなる膣内での射精(セックスによる膣内射精)ができず、妊活へ影響することがあります。
不妊治療の一環として包茎手術をお考えになる人もおられ、奥様が旦那様をクリニックへ連れて来られるケースもあります。
カントン包茎
皮の先端の締め付けが強く、せまくて亀頭を露出させにくい包茎を「カントン包茎」といいます。
以前は非常にマイナーな包茎でしたが、ネットの普及とともに多くの男性にしるところとなりました。
それまで「自分は仮性包茎か真性包茎か、該当しないため判断できない」という人も多かったのですが、「カントン包茎」であることをネットで知ったというケースも大変多くあります。
むけない真性包茎以上に、カントン包茎による勃起や性行為(セックスやマスターベーション)は危険です。
カントン包茎は、皮の先端が輪ゴムや硬い針金のような状態のため、無理にむくと亀頭の真下で強く締め付け、皮をもとの位置に戻せなくなることがあります。
そのまま勃起すると亀頭に流れた血液が循環しなくなり、古い血液がたまる状態となります。
うっ血(うっけつ)と呼ばれる状態で、放置しておくと亀頭への血流が止まり、壊死(くさってしまうこと)を起こすことがあります。
緊急性を要する状態で、大変危険です。
普段は皮をむかない人が、興味本位でむいてしまい戻せなくなるケース、セックスやマスターベーションの最中に不意にむけてしまい、皮が戻らなくなるケースがあります。
中にはパートナーの女性がセックス中に面白半分で皮をむき、亀頭がうっ血することもあります。
20代でカントン包茎の場合、特に勃起した状態で皮をむかないよう注意して生活する必要があります。
20代が包茎を放置するデメリット3選
過去の記事でも述べましたが、ペニスは18歳前後でその成長が完了します。
つまり、20代で包茎の場合、将来的に自然に治ることは考えられないといえます(稀に例外もあるようですが)。
日本人は性教育が遅れており、そういった情報が入ってきません。
親御さんが伝えない限り、学校で教わることもないため、自分のペニスに関する知識は、「友達同士の話やネットの面白おかしく書かれた情報のみ」となります。
そのため、「20歳を過ぎると包茎は治らない」という知識を得ることがないため、いつまでも変わらないペニスをながめたまま年を取っていく人が多くおられるのです。
20代で包茎を放置すると、どのようなデメリットがあるでしょうか。
衛生面、見た目、機能面から考えてみましょう。
不衛生で病気にかかる可能性がある
包茎は尿・汗・垢・精子のカスなどの汚れをためこみやすく、不衛生な状態を維持します。
特に真性包茎やカントン包茎は、亀頭を出して洗うことが困難なため、何年、何十年と皮に覆われたまま中身を洗えていないというケースもあります。
汚れにまみれた亀頭が正常であるはずがなく、亀頭包皮炎や尿道炎など炎症を引き起こすこともあります。
また、不衛生な状態だと亀頭が弱く抵抗力がないため、性感染症(性病、STD)などに
かかりやすいというデータもあります。
単に「くさい、カスがたまりやすい」というだけでなく、病気に罹患する可能性が高まるため、衛生面からも改善を検討する必要があります。
男性器自体が小さく見える
包皮に包まれていると、子どものペニスと変わらない状態に見えます。
包茎はペニスの成長期に包皮で強く圧迫されていたため、亀頭や陰茎が小さいまま、細いまま、短いままのペニスで成長を終えているケースも多くあります。
特に皮の締め付けが強い真性包茎やカントン包茎は、ラップでパンなどのやわらかいものを強く巻き付けている状態となるため、非常にこじんまりと見えてしまいます。
見た目だけでなく物理的にも小さいため、「短小ペニス」で機能面で悩む人も多くおられます。
早漏になる
真性包茎やカントン包茎は、生まれてからほとんど亀頭が外に出ていません。
「数年に一回、露出させることがある」という人もおられますが、亀頭が外に出て触れると痛いため、包み隠したままの人も多いです。
これにより生じるデメリットは、「早漏(そうろう)」と呼ばれる射精までの時間が短いという点です。
特にセックスで興奮が高まると、亀頭への刺激の弱さも相まってマスターベーション以上に早く射精してしまうこともあります。
女性にとって早漏ペニスは、セックスで満足感を得られないことが多いため、「男の武器として弱い」と見られることも多いです。
女性側のセックスへの不満を察し、男としての自信を無くす早漏男性も多くおられます。
20代で自分の包茎が不安なら一度は専門医への相談を推奨
前述したように、20代で包茎の場合は将来的に自然に治る可能性はほぼないと考えられています。
日常生活に不便はない、悩みもない、ということであれば放置でもよいかもしれません。
ただ、悩みが深く包茎がコンプレックスになっている、皮の締め付けが強くむくと戻せない、などの場合は私たち専門医へご相談なさることをおすすめします。
自分の包茎の状態を詳しく知れる
専門医が診察することで、ご自分の包茎の状態がわかります。
仮性包茎なのか。カントン包茎や真性包茎なのか。を正しく認識することで、その後の対処法も知ることができます。
カントン包茎や真性包茎の場合、うかつに皮をむくと危険であるなどのアドバイスを受けることもできるため、状態を把握することは非常に意味があると考えます。
相談だけで手術はしない人も多い
診察を受けたすべての人が、手術を受けるわけではありません。
- 手術をしたほうがよいか
- 受けた場合にどのような注意事項があるか
- 自分の状態はどのように変わるか
上記を専門医から説明を受けることで、「包茎手術を受けない」という選択をする人もおられます。
どうしても手術への不安、恐怖心がぬぐえない場合、クリニック側が手術をすすめないこともあります。
また、10数年検討し、中高年になってから決心して手術を受ける「超超熟考型」の人もいます。
診察やカウンセリングを受けたからといって、すぐに手術を受ける決まりはありません。
「手術を受ける必要があるか、受ける覚悟はできるか、受けるならばいつが適切な時期か」をご自分でよく検討することをおすすめしています。
まとめ:20代の包茎の悩みはネオ形成外科へ
繰り返しますが、20代になると自然に包茎が治ることはありません。
そのままの状態で不都合がなければ、放置でよいと思います。
ただ、包茎について何年も深く思い悩むのであれば、手術も選択肢として考えるとよいでしょう。
包茎を熟知した専門医の診察・説明を受けることで正しい情報を得られれば、「いざとなれば包茎手術という手段がある」と思うことができ、前向きに生活ができるようになります。
私たちはネオ形成外科の医師陣は、20年以上の手術経験持つ専門医のみで構成されています。
安全に確実に包茎を治したい、包茎に関する正しい知識を得たい、という人はぜひネオ形成外科の診察カウンセリングをご利用ください。
無理に手術をおすすめすることはありません。悩んでいるならまずは自分の包茎の状態を知り、正しい知識・情報を得ることが大事です。
親切な対応を心がけ、丁寧にお話ししています。どうぞ私たちネオ形成外科へお任せください。