包茎手術を長年検討しているけれど決断できない、という人は大変多くいらっしゃいます。
「包茎手術は包皮を切る手術」とご存知の人も多く、決断できない人のほとんどが「ペニスの皮を切るなんて不安と恐怖しかない!!」と思っておられます。
男性にとっては「ペニスを切ってしまう」くらいの意識となり、恐怖心でいっぱいになる気持ちはよく理解できます。
切らない方法があれば包茎手術を現実的に考えられるのに…、とお考えの人も多いでしょう。
今回は、「切らない包茎手術って存在するの?」「切らない包茎手術があるなら、具体的に知りたい」という人のための企画です。
切らない包茎手術は実際に存在するか?どんな方法か?切らなくても包茎は治るのか?について、解説します。
また、包茎手術の費用や保険適用については、以下の記事で詳しく解説しております。この機会にご覧いただけると幸いです。
【参考記事】:包茎(ほうけい)手術の費用相場は?保険適用には隠れたリスクも…
切らない包茎手術を受ける人の特徴
切らない包茎手術は主に、「亀頭増大によって皮をストップさせる」「長茎術によってペニスを長くし、皮をかぶらなくする」「ペニスの皮を根元で集めて、特殊な糸やのりでおさえる」という方法を指します。
「切る包茎手術」以外の方法で包茎を治すことを希望する人は、どうしてそういった方法を選ぶのでしょうか?
仮性包茎である
手を使えばスムースに皮がむける状態を、仮性包茎といいます。
仮性包茎もランクがあり、亀頭の先まですっぽりとかぶる状態から、カリ首や亀頭の真ん中くらいまでかぶる状態まで様々です。
皮の余りがさほどでもなく、仮性包茎でも軽度の状態の場合、「わざわざ皮を切って治すまでもない」とお考えの人もおられます。
その場合、亀頭増大や長茎術で「ペニスを大きく、長くするついでに包茎も治れば一石二鳥」と考え、切る包茎手術以外の方法で包茎の解消を希望されるケースがあります。
手術に恐怖心がある
包茎手術は安全で、経験を積んだ医師が行えばなにか不具合が生じることはありません。
しかし、「男の急所であるペニスの皮を切って縫合する」と考えるだけで、出血・腫れ・痛みのみならず、勃起や性感にデメリットが生じたらと不安を感じ、切る包茎手術を決心できない人も少なからずいます。
大事な部分だけに、「万が一何かあったら・・・」と考える気持ちは理解できますが、手術を依頼する医師をしっかりと選べば包茎手術によって勃起や感覚に影響するようなことは考えられません。
サイトに氏名、顔写真、経歴が出ているような医師であれば、信頼して託してもよいと思います。
手術後すぐに性行為をしたい
切る包茎手術を受けた場合、セックスやマスターベーションなどの性行為は1か月間禁止となります。
「1か月も射精を我慢したことがない」という人は、多くおられるでしょう。
治療後短期間で性行為をしたいため、切る包茎手術ではなく亀頭増大を選択する人もいます。
亀頭増大の場合、使用する粗衣罪によりますが、性行為の禁止期間は約2~3週間となるため、切る包茎手術よりも早く「性行為解禁」となります。
切る包茎手術後の「性行為の禁止期間」がもっと短くなれば(たとえば10日~2週間ほど)、もっと切る包茎手術の希望者は増えると考えます。
包茎手術には包皮を切らない方法と切る方法がある
包茎はペニスの長さ以上に皮が多く、亀頭を包み込む状態を言います。
皮が多くなる原因は、以下が挙げられます。
- 成長過程で皮をむかなかったため、亀頭やサオ(陰茎)が十分に大きくならず包茎のままで成長が終わった。
- 皮を使ったマスターベーション(オナニー)を長年行っていたため、皮が伸びて余るようになった。
- 体型や年齢でペニスが体内に埋まるようになり、皮がかぶるようになった。
亀頭やサオ(陰茎)の長さ以上に皮が余っているために、亀頭を一部または全部を覆い隠す状態となります。
包茎の状態であるために、見た目が小さく幼く見える、汚れやすい、機能的に小さい、早漏である、などの欠点が生じ、悩む人は少なくありません。
包茎を手術的に解消する方法を「包茎手術」と言いますが、包茎手術には包皮を切除して縫合する「切る方法」と、「切らずに包茎を治す・改善する方法」があります。
切る手術、切らない手術は、それぞれどのような手術となるのでしょうか。
包皮を切らない包茎手術
あまり知られていませんが、実は「切らない包茎手術」は存在します。
ネオ形成外科に来られる患者様の中にも、切らない方法で包茎を治したい、とご相談なさる人もいらっしゃいます。
包茎は「皮で覆われて亀頭が出ていないペニス」を指すため、この状態を切らずに解消する方法について解説しましょう。
方法は以下の3通りがあります。
- 亀頭増大で亀頭を大きくカリ高にして、皮が亀頭へかぶらないようにする。
- 長茎術(ちょうけいじゅつ)でペニスを長くすることで皮が後ろに下がり、亀頭が出る状態にする。
- 医療用の特殊なノリを使用し、ペニスの根元で皮の余りをくっつけてかぶらないようにする。
それぞれどのような方法か、その効果はどうか、をのちほど解説いたします。
包皮を切る包茎手術
包茎を治す治療でもっともメジャーな方法は、「切る包茎手術」でしょう。
平常時と勃起時のペニスの長さの差を測り、余った皮の量を算出しデザインします。
デザインに沿ってリング状に皮を切除し、糸で縫合します。
余った皮はなくなり、ペニスの長さにジャストフィットした皮の量となるため、「切る包茎手術」は確実に包茎を治す治療です。
包皮を切除・縫合する位置は以下の3通りあります。
- 亀頭直下(亀頭の真下部分)
- サオ(陰茎)の中央部分
- サオ(陰茎)の根元部分
切除・縫合する位置によって、術後の仕上がりの美しさや包茎の治り方にも影響します。
包皮を切らない包茎手術の方法と効果
前述しましたが、「切らない包茎手術」を希望なさる人は一定数おられ、ネオ形成外科にもご相談に来られます。
「切らない方法で包茎が改善するのであれば、包茎手術を検討したい」とお考えの人です。
ペニスを切って縫うというのは、想像しただけでも怖くてゾッとしますね。
切らずに治す方法は、気持ち的に気軽に受けれそう、禁欲期間等のダウンタイムが短かそう、などの期待感があると思います。
ここからは包茎手術の方法や効果について、お伝えします。
また、包茎手術の費用や保険適用については、以下の記事で詳しく解説しております。この機会にご覧いただけると幸いです。
【参考記事】:包茎(ほうけい)手術の費用相場は?保険適用には隠れたリスクも…
亀頭増大手術
切らない包茎手術でもっともリクエストが多い治療法が、「亀頭増大で皮がかぶらないようにする」というものです。
私は包茎の説明をする際、亀頭と皮を「ダムと水位」に例えます。
皮が多いことで亀頭が覆われるならば、亀頭のカリ首を大きくし、ダムの高さを高くして「皮の余り」という水位を低くする考え方です。
亀頭の輪郭であるカリ首に素材を注入し、亀頭とカリを大きく高くする方法が「亀頭増大」です。
亀頭へ注入する素材は以下の役割が求められます。
- 安全であること
- 永続的または長期にわたり亀頭の大きさ
- 高さをキープすること
永続的に残る、長期間残る、短期間で吸収される、など素材によって様々な特徴があるため、患者様と話をして注入する素材のタイプを決めていきます。
亀頭というダムを亀頭増大で高くし、余っている包皮をせき止めてかぶらなくしますが、残念ながらこの方法で包茎が完全に治る、とは言い切れません。
「完全にかぶらなくなる場合」もありますが、「包茎は解消されるが、時にかぶってしまう場合」、さらに「亀頭を大きくしても皮の余りが多く、亀頭増大後もかぶってしまう場合」があります。
亀頭増大によって包茎がどの程度まで改善されるか、は診察の上でお伝えしています。
なおこの方法は皮に締め付けがあると行えないため、カントン包茎や真性包茎の場合は適用しません。
長茎術(ちょうけいじゅつ)
サオ(陰茎)を長くする長茎術も、切らない包茎手術のひとつです。
体内に埋まるペニスを引き出し長くするもの、ペニスの長さが長くなる分、皮は後ろに下がり包茎が解消されるという治療になります。
ペニスを長く見せるための治療ではありますが、上記の理由から包茎解消にもメリットがある治療です。
長茎術には「切る方法」と「糸で留める切らない方法」があります。
切る長茎術
切る長茎術はペニスの付け根部分を横に1~2.5cmほど切開し、ペニスを支える靭帯(じんたい)に糸をかけて外側に引き出す方法となります。
体内にペニスが埋まった人であれば、より効果的です。
糸で留める切らない長茎術
糸で留める切らない長茎術は、上記の方法を切開することなく行います。
ペニスの付け根から靭帯へ向けて糸を通し、切る方法と同様にペニスを体の外に引き出します。
糸を針で通す方法のため、切る必要はありません。
長茎術によって出てくるペニスの長さは個人差が大きいため、状態を見てどこまで包茎が改善されるかを判断いたします。
特殊なのりを使用する切らない包茎手術
医療用の「のり」を使用して皮同士を接着し、亀頭を露出させる方法です。
ペニスの根元部分に皮を集め、アコーディオン状になった皮膚の寄れた箇所に医療用のりを塗布します。
余った皮をペニスの根元でクリップやセロテープでおさえている効果が持続されるため、包茎解消につながる、という治療です。
20~30年ほど前に行われていましたが、ここ最近で行っているクリニックはないと思います。
その理由については、「切らない方法を選択するデメリット」で説明します。
包茎手術で「切らない方法」を選択するデメリット
ネオ形成外科に来られる患者様のほとんどが、切る手術が怖い、勃起や性感に影響しないか心配、と不安に感じておられます。
そういった人たちにとって、切らない方法で包茎が治ったらこれほどよいことはありません。
亀頭増大、長茎術、のり接着による包茎治療と、3種類の「切らない包茎手術」を紹介しました。
それらの方法は完全で、切る包茎手術と同じ効果が出るのでしょうか?
残念ながら包茎を完全に治すには、切る方法が確実です。切る方法の場合は、どのような状態の包茎も確実に治療することができます。
逆に、切らない包茎手術は、「ペニスの条件により解消可能」という注釈が付きます。
「切らない包茎手術」が「切る方法」に比べてどういった点が劣るか、デメリットとなるか、を考えましょう。
デメリット①カントン包茎や真性包茎には効果がない
皮がきつくむけにくいカントン包茎、むけない真性包茎の場合、包皮先端の締め付けが強いため「切らない包茎手術」では治らないことがあります。
カントン包茎や真性包茎は、そもそも皮が多いからかぶっているだけでなく、締め付けが「むけない・むけにくい要因」となります。
特に真性包茎は切る方法以外の選択肢がない、と言えます。
亀頭が出ないため亀頭増大を行えない、長茎術で長くしても医療用のりで皮を接着しても亀頭を出せない、となるためです。
切らない包茎手術を行う場合、「皮に締め付けがあっても亀頭は露出できる状態」が最低条件となります。
カントン包茎でも亀頭が比較的容易に露出できる場合、亀頭増大や長茎術によって包茎が改善する可能性はあります。
ただ、皮に締め付けがあると亀頭増大や長茎術によって包皮にむくみ(腫れのような状態)が生じ、形状が悪くなることがあるため注意が必要です。
内ばんという薄いピンクの皮がむくむのですが、カントン包茎の締め付け度合いを見て亀頭増大や長茎術を行えるか判断しないと、むけていることよりも皮がぷっくりとふくらんだ見栄えの悪さのほうが気になる、というケースもあります。
デメリット②包茎が改善される度合いは状態による
切らない包茎手術によって、切る方法と同じように包茎を確実に治すことは難しいとお考えください。
皮の余り方は個人差が大きく、非常に多く余っているケースもあります。
その場合、亀頭増大でカリ首のダムを高くしても皮の余りが多すぎてカリ首の手前でむけたままストップせず、かぶってしまうことになります。
長茎術によってペニスを長くする場合も同様で、皮の余りが多すぎるとむけたままの維持が難しく、ふたたびかぶってしまいます。
軽度仮性包茎と呼ばれる「かぶるものの皮の余りがそれほどなく締め付けがない状態」であれば、亀頭増大や長茎術による包茎の改善も期待できますが、ある程度皮の余りがある場合は「包茎が治る」というレベルまでは難しいと思います。
包茎の状態を診察し、切らない方法でどこまで治るかの判断いたします。
デメリット③医療用のりで接着する方法が行われない理由
過去に行われていた「切らない包茎手術」の代名詞とも言えるのが、「医療用のりで接着する包茎治療」です。
真性包茎やカントン包茎などむけにくい・むけない包茎の場合は適用できないことを前述しましたが、仮性包茎の場合はどうでしょうか?
皆さんも試すとわかると思いますが、皮を根元に集めてつめむと亀頭が露出します。
これを医療用のりを使って行うのですが、欠点がいくつかあります。
- 医療用のりはやがてはがれてしまい、はがれると皮が戻ってかぶる。
- 医療用のりを塗布した箇所がかぶれることがある。
- 勃起するとのりが付着した箇所が突っ張って痛む。
- 医療用のりが固くなり、セックスでペニスを挿入すると女性が痛がる。
- セックスやマスターベーションをすると、はがれて戻ってしまう。
医療用のりの接着期間はさほど長くないため、たびたび使用する必要がありました。
行っていた病院側は、「やがてクセがつき、むけた状態が維持される」と説明していたようですが、実際にこの方法でむけたクセがつくことはなかったようです。
ネオ形成外科は2つの包茎手術法をすすめています
切らない包茎手術について解説してきましたが、効果がある包茎が限定されることから、実際に包茎を治すことを目的に行えるケースは一部の人にとどまると思います。
以下のようにお考えの人には、よいと思います。
- 亀頭を大きくしたい
- ペニスを長くしたい
- そのついでに包茎が多少改善されればいい
やはり包茎を治すのは切る方法が確実であることがおわかりいただけたかと思いますが、切る包茎手術はどのような方法が効果的かを考えましょう。
私や山本院長が行う切る包茎手術は主に2通りで、以下の方法となります。
亀頭直下埋没法(きとうちょっかまいぼつほう)
亀頭の真下の部分(亀頭直下)で包皮を切除、縫合する方法です。
包茎手術の中ではもっとも美しい仕上がりになるのがこの「亀頭直下埋没法」で、自由診療でのみ受けることができます。
- 皮がかぶる原因となる、内ばんという薄いピンクの皮がほぼなくなる。
- 治療の傷あとは亀頭の真下にくるため、人前で目立たない。
- 平常時、勃起時ともにむけたペニスとなる。
亀頭直下埋没法は包茎手術の中では完成された方法で、見た目や機能面において非常にメリットを感じていただける方法となります。
バックカット法(根部切開法)
ペニスの根元で包皮を切除・縫合する方法を、バックカット法(根部切開法・根元切開法)といいます。
ペニスの付け根で治療を行うため、傷あとは陰毛で隠れます。
薄いピンクの皮である内ばんや小帯(しょうたい:裏すじ)に触れることはないため、「切る包茎手術で機能が損なわれないか不安」とお考えの人が希望される方法です(内ばんや小帯を切除しても、機能面が損なわれることはありませんが)。
陰毛で傷が隠れるため、外からの見た目はまったく自然です。
欠点としては内ばんの皮を残す方法のため、ふたたび包茎に戻る可能性があることです。
内ばんはあまり伸び縮みしないため、勃起時を想定して根元で茶色の皮(外ばん:がいばん)を切る時は控えめにします。
控えめに切らないと、勃起時に皮が足らず突っ張ることとなるためです。
そのため、バックカット法による包茎手術から1年ほどすると内ばんが亀頭を覆うようになり、ふたたび包茎に戻ることとなります。
手術前のように完全にかぶる場合と、亀頭が半分ほどむけた状態となる場合があります。
バックカット法を希望なさる場合は、皮の余り方、内ばんがどれくらいの長さかを診察で判断し患者様へお伝えしています。
日本国内でもバックカット法が行えるクリニックは少ないため、遠方からネオ形成外科へ来られる人も少なくありません。
まとめ:包皮を切らない包茎手術にはデメリットが多い
切らない方法、切る方法で包茎手術を比較してきました。
軽度の仮性包茎で現状より多少改善すればいいとお考えの人には、切らない方法も選択肢になると思います。
それ以外の包茎の場合、確実に包茎を治したい場合は、切る包茎手術が効果的となります。
もちろん切らない包茎手術のご希望があれば、診察の上で効果の出方を予測してお伝えしております。
どうぞネオ形成外科へご相談ください。