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早漏防止薬(塗り薬)の効果は?ドラッグストアでの購入はできる?

パートナーが満足する前に射精してしまう、早漏(そうろう)。

我慢が効かず、「気持ちいい!イクっ!!」と感じたときには漏れ出てしまう状態を言います。

国際性医学会議で定められた「早漏の定義」は、以下です。

  • 射精がいつも腟内への挿入前または挿入1分以内に起きる。
  • 腟内への挿入に関し、射精を遅らせることが全くあるいは殆どできない。
  • セックスが苦痛、悩み、フラストレーション(欲求不満)、あるいはセックスを避けるといった、消極的な個人的体験・結果となる。

実際は1分以上持つものの、パートナーが満足に達する前に射精してしまう「3~5分早漏」で悩む人も多くおられます。


当院には、早漏に関する相談は非常に多く寄せられ、「早漏防止の薬はありますか?」という問い合わせも多くいただきます。

今回は「早漏防止薬」について、解説します。

早漏防止薬(塗り薬)とは

早漏を薬で抑えられたら、とお考えの人は多いもの。

「塗るだけで早漏がおさまってくれれば・・・」

という気持ち、早漏で悩むすべての男性が切望することでしょう。

そのような薬は存在し、またどのような根拠で効果を出すのでしょうか?早漏防止薬(塗り薬)について考えましょう。

早漏防止薬(塗り薬)の効果は?

もっとも敏感である亀頭部分に塗ることで、感覚を鈍くし早漏を防止する薬剤は販売されています。

もっとも、厚生労働省に認可されている「薬」はないため、薬局で購入することはできません。


通販や大人のおもちゃ屋さんで、「ジョークグッズ」のひとつとして売られています。

しかし、どういった根拠で『早漏が治る』として売られているのでしょうか?

射精までの時間がコントロール可能になる?

早漏を防止する目的であれば、射精までの時間をコントロールできることとなります。

まったく感覚がなくなっては射精まで至りませんので、薬剤を塗ることでどういった効果が出るのでしょうか?

基本的にこのような薬剤は、「塗る麻酔薬」に近い成分だと考えます。麻酔を亀頭部に塗布し感覚を鈍くする=射精までの時間を遅くする、という考え方で販売されていると考えます。


もちろん、薬剤師が在籍する一般の薬局でそのようなものは購入できない、販売していないため、ネットや雑誌の通販で購入することとなります。

「安全な成分で安心です」などと広告に記載されていますが、製薬会社が製造しているわけではないためどのような成分なのか不明です。

責任の所在がないため、万一不具合が出た際にどこも対応してくれないなどのトラブルが想定されます。

塗る早漏防止薬を使うと危険?

非合法に販売されているため、こういった類の薬を塗って常用すると、「亀頭の感覚がなくなってしまう」などのリスクが考えられます。

繰り返し使用することで亀頭の感覚が徐々に鈍り、刺激に反応しなくなるおそれがあります。

また、薬を塗って膣に挿入する際、コンドームを着けないと膣内に「麻酔薬」を塗り付ける行為となり、繰り返すことで膣内の感覚が鈍くなる危険性があります。

亀頭や膣に異常が生じても許認可を得ずに販売されているため、販売元に症状を訴えても対応は期待できないと考えるべきです。

早漏防止薬は軟膏タイプ、スプレータイプなどが主流

このような薬は、直接亀頭に塗る「軟膏タイプ」と、スプレーで液を噴射する「スプレータイプ」が販売されています。

効能の根拠はどちらも同じで、麻酔によって感覚を鈍くするものとなります。

どういった成分か不明であり、製薬会社が販売しているものはないため、使用することはすすめません。

塗布タイプに分類される早漏防止コンドームもある

セックスのたびに薬を塗る、スプレーを噴射するなどが面倒なため、コンドームの内側(ペニスに触れる側)に麻酔薬が塗られているものも販売されています。

このタイプは膣内に麻酔薬が付着する可能性が少ないため、軟膏やスプレータイプの薬よりも膣へのリスクは少ないと考えられます。

個人輸入(ネット通販)で購入する方々へ

このような薬剤は厚生労働省に認可されていないため、一般の薬局・ドラッグストアで購入することはできません。

以前は雑誌やスポーツ新聞などの通販で購入するケースがほとんどでしたが、現在はネット通販を通じた購入が中心のようです。

どの国で製造されているかは不明で、ネット通販会社のサイトには「自己責任でご使用ください」などの文字が躍っています。

万一感覚がなくなるなどの健康被害が出ても、一切の責任を取らないというスタンスをとっています。

まとめ:早漏を根本的に解決するならフェアクリニックへご相談を

これまで述べたように、私をはじめ多くの医師は通販等で売られる「早漏防止」を目的とした塗り薬の使用をおすすめしません。

使用頻度が多くなると、感覚がなくなるなどのリスクを考えると非常に危険な薬剤と考えます。

安全な薬剤であれば一般の薬局・ドラッグストア、私たちのような病院・クリニックでも使用をすすめ、購入できるようになるものです。


しかし、医師や薬剤師が販売できるような早漏防止用の塗り薬はありません。

早漏は当院のようなクリニックで治療が可能です。

亀頭を覆い隠す皮を切除する包茎手術、裏側の敏感な裏すじを除去する裏すじ切除(小帯切除)、亀頭の感覚を強くする亀頭強化注射など、外科手術や注射治療を行っております。

ペニスは男性にとって大事な部分です。

安易にリスクの高い塗り薬などに手を出さず、クリニックで医師に相談なさることをおすすめします。

柴田 健了(しばた たけのり)

京都大学医学部卒。日本形成外科学会専門医。長年の治療実績、論文の成果が認められた医師のみが認定される日本形成外科学会専門医の資格を持つ。20年以上形成外科・美容外科の専門医として従事し、大手美容外科を経て、フェアクリニック川口院/東京院を開設。クリニックのコンセプト「フェア(正しい・明瞭)」を掲げ、良質な技術を提供。▶公式サイトURL:https://mens.fairclinic.jp/about/