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仮性包茎を自力で治す方法はある?仮性包茎の治療法について徹底解説

成人になっても仮性包茎の状態が自然に治らない人から、「仮性包茎を自力で治したいけど、どうすればいいか?」「仮性包茎はそもそも自力で治せるもの?」というご質問をいただきます。

・仮性包茎の状態はイヤだ

・仮性包茎の手術は怖い

・できれば将来的に自然に治ってほしい

・自然に治らないなら手術以外の方法で治したい

男性である限り、上記のような仮性包茎にまつわる悩みはつきまといますよね。

手を使えばむけるものの、見た目や衛生面、機能的なデメリットからなんとか治したい、と思うのは当然でしょう。


ということで今回は、「仮性包茎を自力で治す方法」について考えましょう。

仮性包茎を自力で治すのはリスクが大きい

YouTube動画やネットには、「仮性包茎を自力で治す方法」が散見されます。

道具を使った包茎解消法がほとんどで、なんらかの方法で皮をとめて、亀頭にかぶらなくさせるという方法が紹介されています。

「手術を受けなくても手軽に包茎が治せる!」とうたっていますが、私たち専門医からするとリスクのある方法で、安易に行うことはすすめたくありません。

どういった方法か、どのようなリスク・トラブルがあるか、について解説します。

皮膚のトラブルリスクがある

皮を寄せてなんらかの方法でとめる、と考える場合、真っ先に浮かぶのは「テープで皮を巻く」という方法でしょう。

ペニスの根元付近へ皮をたぐり寄せ、テープ(セロテープ、ガムテープ、ビニールテープで巻くことが紹介されていました)で皮の余りを巻き付けるというものです。

たしかに皮はかぶりにくくなり、テープを巻いている間は亀頭が出ている状態となるでしょう。

ただ、テープを外してしまうとすぐに元のようにかぶってしまいます。

また、テープで巻きつけることで皮が切れる、すれる、炎症を起こす、などのトラブルが考えられます。テープによって切れる、すれるなどを繰り返すと、徐々にその箇所が硬くなり、勃起時に締め付ける、勃起のたびにあかぎれのように切れる、などのリスクがあります。


包皮へのトラブルやリスクを考えると、テープを巻いて一時的にむけるメリットよりも、デメリットのほうが大きいためおすすめできません。

「仮性包茎を自力で治す」以外に包茎を卒業できる方法

仮性包茎を自分自身で治す以外に、どのような方法があるでしょうか?

包茎手術

「包茎を治す」にあたり、もっとも確実な方法が「包茎手術」です。

当院では「亀頭直下埋没法・亀頭直下法」で行っており、亀頭のカリ首の真下で皮を切除・縫合することで傷あとが周囲にわからないように仕上げています。


平常時も勃起時も皮がむけて亀頭が露出した状態、かつ美しい仕上がりを求める人に、もっともおすすめの手術法となります。

「勃起時に皮が不足しないか?」と心配な人もいらっしゃいますが、平常時と勃起時の差、皮の伸び率は手術前のデザイン時に正確に測るため。心配はありません。

亀頭増大術

「亀頭のカリ首を大きくして、皮をかぶらなくしたい」と希望する人は多くおられます。

ダムの高さを高くして水があふれ出ないようにするのと同様に、亀頭のカリ首を大きくして皮がかぶってこないようにする方法として、「亀頭増大による包茎改善治療」を行っています。

皮の余り方や締め付けによって「包茎の改善」の効果の出方が変わるため、診察時に状態を拝見しお伝えしております。

「切らずに包茎を治したい」とお考えの人に、おすすめの方法です。

長茎術  

加齢や体重の増加によって、ペニスが体の奥に隠れる(埋まる)ケースがあります。

ペニスを支える靭帯(じんたい)を糸で処置し、隠れたペニスを長く見せる治療が長茎術です。

ペニスが埋まりにくくなることで皮のかぶりを軽減する、包茎改善の効果も期待できます。

仮性包茎を自力で治すのは難しい

18~20歳前後で仮性包茎の場合、そこからペニスが成長する可能性はとても低いと言えます(中には例外的に、20歳を過ぎて少し成長するケースもあるようですが)。

ペニスの成長が止まることは、「いま以上にペニスが伸びることがない」「亀頭が大きくなることがない」ということです。


皮が多く亀頭に覆いかぶさっている場合、ペニスの成長が止まるとそこから変わることはありません。

身長や体の大きさがある年齢を境に止まるのと同じように、ペニスも長さや太さは変わりません。

結論から言うと、20歳を過ぎて仮性包茎を自力で治すことは難しい、とお考えください。

思春期の前なら成長によって自然に治る場合も

ペニスの成長の可能性がある14~18歳であれば、陰茎が伸びて皮が後ろに下がり、亀頭が大きくなることで皮がせき止められるため皮がかぶることがなくなる=仮性包茎が治る、と考えられます。

その年齢の場合、皮の先端の締め付けが強く、狭いことも多いため、ペニスを圧迫し成長の邪魔をする要因となります。


ペニスの成長が見込める思春期前、または思春期のころに少なくとも皮をむきやすい環境にしておくと、その後仮性包茎が自然に治ることが期待できます。

入浴時にペニスと皮が温まった状態で、皮を少しずつむく練習を毎日繰り返すことで、先端の強く締め付けは解消されていきます。

数か月から半年ほど続けると先端の狭さはなくなり、ペニスが圧迫されないため成長しやすい環境となります。

逆に言えば、この時期を逃すと仮性包茎が自然に治ることは無理と考えたほうがよいでしょう。

20歳前なら様子見も視野に

年齢的に、いつペニスの成長と仮性包茎が自然に治ることを諦めるか?

前述した通り、18歳前後でペニスの成長はほぼ終わると考えられています。

例外的に20歳を過ぎても成長するケースもあるため、少なくとも20歳前までは待つ、その後は成長の見込みは少ないだろう、と考えてよいと思います。


20歳前までに仮性包茎が治らなかった場合、その後も自然に治ることはないとお考えください。

これまでお伝えしたとおり、仮性包茎が自然に治るかは、20歳が目安と言えます。

それ以降で「自然に治る」「自力で治すこと」は不可能と考えるため、20歳を過ぎて仮性包茎が不都合に感じるならば包茎手術など、治療を検討することが確実な方法と言えます。

仮性包茎のデメリット

日本人の6~7割が仮性包茎と言われていますが、仮性包茎がで困ることはなんでしょうか?

仮性包茎のデメリットは、大きく分けると以下が挙げられます。

■衛生面

包皮と亀頭の間に恥垢(ちこう:のり状の汚れです)が溜まり、特有の臭いを発する。

包皮内部に細菌が潜み、亀頭包皮炎の原因となる。

■見た目

皮がかぶると、幼い子どものペニスのように見える。

皮の締め付けによってペニスが体内に埋まり、短く見える。

■機能面

皮が邪魔で、女性の膣にうまく挿入できない。

包皮で圧迫され、ペニスの成長が妨げられ先細りの亀頭、細い陰茎になりやすい。

いつも包皮で亀頭が守られ、刺激に敏感なため早漏の原因になる。

つづいて、これらのデメリットを詳細に解説していきます。


男としての自信喪失

衛生面以上に、見た目の小ささや機能面でのデメリットが、周囲の男性、セックスのパートナーである女性に対して自信を持てなくなる人が多いようです。

ペニスを堂々と人前で出すことに抵抗を感じ、コソコソと隠す、女性とのセックスを避けてしまうなど、いわゆる「男の自信」がなくなってしまうのです。


中には、将来的に介護を受ける、入院することになったことを想定し、家族や看護師の世話を受けることが包茎のままでは恥ずかしい、という人もいます。

包茎の相談に来られる人の多くが、相当に自信がないよう見受けられます。

「たかが包茎で悩むことはない」

と自分に言い聞かせようとしても、温泉やサウナ、あるいはアダルトビデオでほかの男性のペニスを見た際に自分と比較し、自信を喪失してしまうようです。

不衛生が原因で悪臭や炎症の発生

仮性包茎は手を使えば皮がむけ、亀頭を露出できる状態です。

蒸れて汚れる環境にしないためにも、皮がむけたままの状態を維持できればよいのですが、仮性包茎の場合はよほど亀頭が大きくないとむけた状態の維持は無理となります。


亀頭は尿、汗、垢が付着しやすく、その上に皮がかぶるとやがて蒸れてジメジメします。

尿、汗、垢が発酵したような状態となり、独特の臭いを発する、白いペースト(のり)状の垢である恥垢がたまる、など不衛生な状態となります。

特に包茎の臭いは女性に敬遠されやすく、「汚くてセックスに集中できない」という女性も多くおられます。

それだけ不衛生な状態が続くと、中には亀頭や包皮の内側が炎症を起こすこともあります。軟膏を塗布しても蒸れて不衛生な環境は解消されないため、炎症を繰り返す結果となります。


特に、夏場に汗をかきやすいと不衛生になりがちで、炎症が再発しやすい時期となります。

早漏の原因になる

もっとも敏感な組織である亀頭が常に皮で守られていると、「いざセックス」でパートナーとの性行為にのぞんだ際、非常に感じやすくなります。

もともとと敏感な箇所がたまに外に出るとしびれるような感覚があることに加え、パートナーを前にして非常に興奮した状態にあるため、より感じやすい亀頭となります。


そのため、セックスで十分な時間を自足できず、早々に射精する早漏になりやすいと言われています。

また、勃起しても皮が余っている仮性包茎の人も少なくなく、膣への挿入中に皮が前後に動き、陰茎の刺激も強くなることで射精を早めることもあります。

男性側は早々に気持ちがよくなりフィニッシュすることができますが、相手である女性は満足できていないことが多く、いわゆる「性の不一致」を引き起こします。

避妊器具が外れやすい

勃起しても皮が多く余っている場合、避妊器具(コンドーム)が安定せず外れやすいというデメリットがあります。

コンドームを着けて膣へ挿入しペニスを動かしている間に、皮の動きによって徐々にコンドームがずれ、膣内で外れてしまうケースもあります。


避妊の観点からコンドームは有効な器具ですが、包茎との相性はよくありません。

皮が多い状態でコンドームを使用する場合は、セックス中に外れないよう気を付ける必要があります。

排尿時に尿が飛び散る

亀頭の頂点にある線を「尿道口(にょうどうこう)」といい、尿が出る穴となります。

包茎の場合、尿道口の先を皮が覆ってしまうため、かぶったままで排尿すると尿があちこちに飛ぶことがあります。


「OB(オービー)」と呼ばれ、トイレを汚してしまう原因となります。

また、皮の中に尿が残りやすいため、ペニスを下着にしまった際、動いた際に皮の中から尿がジワーっと漏れ、下着を汚すこともあります。

常に尿でまみれ不衛生な状態になると、膀胱炎を引き起こすケースがあります。

膀胱炎になると完治まで時間を要するため、皮はできるだけむいた状態でいることをおすすめします。

仮性包茎を自力で治すための矯正器具の使用は非推奨

ネットや雑誌の通販で、「包茎を治す器具」として矯正器具が販売されているのを見たことがある人もいるでしょう。

購入したことがある。すでに試したことがある。という人もいるかもしれません。

では、矯正器具で仮性包茎は治るのでしょうか?

常にペニスに器具を着けていることで、思わぬ怪我につながることもあります。

ペニスに傷が付くと「尿が付きやすい、汗で蒸れやすい」という特殊な部位であることから、炎症を起こす、皮膚が硬くなるなどのリスクがあります。

本当に包茎が解消できるものであれば、医師も推奨する医療品として認可されるはず。

残念ながら、それが答えでしょう。

包茎を根本的に改善する、安全に解消する、長期的に見て確実に治す、と言うことを考えれば、医療的に包茎手術を受けることをすすめます。

医学的根拠が乏しい

残念ながら私は、医療者の立場からこういった矯正器具はおすすめしません。

皮を一か所でとめておく、という目的の器具が多く、これで皮がなくなり包茎が治ることはありません。

むいた状態を維持するために常に装着しなければならないならば、テープや輪ゴムでとめるのと何ら変わりはありません。

残念ながら矯正器具は、医療根拠に乏しい(医療根拠がない)と考えます。

根本的な解決にならない

皮をむいた状態をキープする下着、リング、締め付けを開く器具などが代表的な例ですが、器具を外すとすぐに戻ってしまいます。

つまり、皮の量(余り)が変わることはないため、包茎を根本的に治すことはできません。

試用なさっている人は、器具によって皮をはさむなどのケガがないよう気を付けてください。

ペニスの壊死などの危険性がある

矯正器具は、「皮を根元でとめておく」という考え方が主となるため、「血流を止めてしまう」という危険性があります。

ペニスには非常に多くの血管があり、血液の循環が活発な箇所です。

そこにリングなどを着けて皮をとめると、血流を阻害する可能性があります。

血流が止まったままになると、皮膚が腐ってしまう壊死(えし)を起こすことがあり、非常に危険です。

安全性からも使用は避けるべき、と考えています。

「仮性包茎 自力で治す」の知恵袋で出てくる情報を鵜呑みにしない

ネットやSNSでは、「自力で包茎を治す」「OOで包茎を治してみた」というコンテンツが人気です。

専門医からすると、「そんな危険な方法を試したの??」と驚くようなものも出ており、鵜呑みにして試す人がおられるのではと心配になります。

輪ゴムやロープで縛る、締め付けがあっても無理にむいて毎日過ごすなど……

さまざま方法も紹介されていますが、「亀頭への血のめぐり」を遮断することとなり、壊死(えし)を引き起こす可能性もあります。

器具などを使用することで皮膚を傷つけることもあるため、面白半分に試さないようお気を付けください。

個人のペニスの状態によって治し方は異なる

皮の余り方、締め付け方、ペニスが埋まるなど、包茎の状態は大きく個人差があります。

治す必要があるか、どういった方法が効果的かは、その人のペニスによって変わります。

ネットや雑誌に出ているからと、安易な方法を行わないようご注意ください。

まず最初に専門医への相談を推奨

安全に包茎を改善・解消するには、経験のあるドクターへ相談することをおすすめします。

専門に診察・治療を行っているドクターが状態をしっかりと把握し、もっとも適した方法(包茎手術を行う必要があるかないかを含め)や、日々の過ごし方(清潔に保つ方法、皮をむく際の注意など)についてもアドバイスを受けることができます。

自己流やネットにある方法を試すことで健康被害を起こすこともあるため、「包茎を解消する・治す」ことを軽く考えず、病院やクリニックの診察を受けるようにしてください

まとめ:仮性包茎は自力で治すのではなく専門医へ

ここまで、仮性包茎を自分で治すことができるか、について様々な方法を検証してきました。

正直に申し上げて、包茎手術がもっとも確実で安全な方法であると考えます。

「すぐに手術を受けるには決心がつかない」という人でも、包茎で悩んでいる場合は経験が多く手術の知識に長けた専門医に相談なさることをおすすめします。

料金が高額になる、医師が診ない、などのクリニックも少なくないのが実態です。

ホームページに顔写真、名前、経歴がしっかりと記載されており、実際にそのドクターの診察が受けられると確認ができれば、受診を検討してよいと思います。


手術経験が豊富な専門医でかつ明朗な料金であれば、悩みを相談したうえで包茎手術を依頼してよいでしょう。

情報を収集し、クリニックや医師選びをしっかりと行って、包茎手術によって仮性包茎が解消されることを願っております。

柴田 健了(しばた たけのり)

京都大学医学部卒。日本形成外科学会専門医。長年の治療実績、論文の成果が認められた医師のみが認定される日本形成外科学会専門医の資格を持つ。20年以上形成外科・美容外科の専門医として従事し、大手美容外科を経て、フェアクリニック川口院/東京院を開設。クリニックのコンセプト「フェア(正しい・明瞭)」を掲げ、良質な技術を提供。▶公式サイトURL:https://mens.fairclinic.jp/about/