包茎であることに加え、皮の先端の締め付け(包皮口)が強い場合、日常生活や正行員の面でデメリットが多くなります。
包茎の人と包茎じゃない人がいるように、包皮口が狭い人と狭くない人がいます。
なぜ同じ包茎なのに、包皮口の狭さに個人差が生じるのでしょうか?
また、包皮口の狭さを解消する方法はあるのでしょうか?
今回は、「包皮口の狭さ」をテーマに解説します。
包皮口が狭い原因は遺伝が多いの?
体の外見・形質は、親から遺伝するもの、しないものがあります。
身長や体型、顔の作り、手や足の形は遺伝によって親御さんと似ている人もいらっしゃるでしょう。
薄毛などは遺伝性が高い症状ですが、ストレスなどの円形脱毛症は遺伝と関係なく後天的に起こる症状です。
包茎の人から多く寄せられる質問に、「包茎は父親からの遺伝か?」「包皮口の狭さは遺伝によるものなのか?」というものがあります。
ペニスも体の一部なので、亀頭の大きさ、陰茎の太さ、長さ、包皮の厚さなどは、体格が父親譲りのことが多いのと同じで、遺伝との相関性は認められると言ってかと思います。
ただ、包茎や包皮口の狭さは遺伝するか、については必ずしも遺伝によるものとは言えません。
男性は生まれながらにして真性包茎で、皮先端の包皮口は硬く閉ざされています。
乳幼児の時期に親御さんが少しずつむいて洗ってあげている場合、成長期を経て「亀頭が常に露出した包茎ではない状態」「包茎ではあるが、包皮口の狭さはないむけやすい状態」となる可能性が高いです。
遺伝によってペニスの大きさ、形は似るかもしれませんが、包茎か?包皮口が狭いか?は成長期前に亀頭を出しやすい環境にしていたかが関係してくると言えるでしょう。
包皮口の狭さで包茎の種類は異なる?
「包皮口が狭い」タイプの包茎の場合、すべての人の狭さは同じなのでしょうか?
狭さにもレベルがあるのでしょうか?
結論から言えば、包皮口の狭さにはレベルがあり、それによって包茎の種類が異なります。
「仮性包茎」「カントン包茎」「真性包茎」という3種類の包茎は、包皮口の狭さによって分類される、とお考えください。
真性包茎
包茎の中でもっとも重い状態は、「真性包茎」と言えるでしょう。
ペニスを覆う皮の先端、包皮口が非常に狭いため、皮をむこうとしても亀頭が露出できずむけない状態を言います。
むいて洗うことができため、尿・汗・垢・精子のカスが長年たまった状態となり大変不衛生になります。
炎症など、病気を引き起こす要因となります。
また、包皮口の狭さがペニスを締め付けることで、以下の機能面でのデメリットが生じます。
仮性包茎
「仮性包茎」の状態は、日本人の8割がそれと言われるもっともメジャーな包茎と言えます。
包皮が余っているため亀頭が皮で覆われていますが、包皮口の狭さがほぼないため、締め付けをさほど感じることなく容易にむいて亀頭を露出できる状態です。
皮をむいて洗うことができる、勃起すると亀頭が出やすいなど、真性包茎やカントン包茎に比べると「軽い包茎」と言えるでしょう。
カントン包茎
包皮口の狭さが「やや強いがむける」「強いがどうにかむける」という状態が、「カントン包茎」です。
真性包茎ほどではないものの包皮口が狭いため、仮性包茎のようにスムースにむけない状態です。
カントン包茎の締め付けのレベルは個人差があり、
- 平常時に無理をすればむけるが勃起時にはむけない重度の状態
- 平常時は容易にむけるが勃起時にむけない中程度の状態
- 勃起時もむけるが陰茎を締め付ける軽度の状態
に分かれます。
セックスやマスターベーションの際に不意に皮がむけてしまい、亀頭の下を強く締め付けて皮が戻せないケースもあります。
無理をすればむけるくらいの包皮口の狭さのため、興味本位でむいて戻せなくなることもあり、注意が必要です。
包皮口が狭いことが原因で生まれる男性の悩み
成長期にむいていない場合、包皮口が狭いままのペニスになる可能性があることをご説明しました。
では、包皮口が狭い包茎はどのような欠点があるのでしょうか?
十分な太さや長さが得られないため女性の膣をしっかりとこすれない
せまい皮の先端が亀頭を締め付けるためセックス時に痛みを伴い苦痛
温泉での羞恥心
包皮口が狭いとペニスを圧迫し続けるため成長期にペニスが大きくなりきれず、小さいまま成長を終えることがあります。
ペニスが小さいことで自信がなく、温泉やサウナで恥ずかしくて脱げない、などの悩みを持つ人もおられます。
また、包皮口が狭いことで亀頭を露出できないことから、「人前で包茎とばれたくない」という理由で温泉など他人と風呂に入ることを拒否する人もいます。
恥垢(ちこう)がたまりやすい
包皮口が狭いことで生じるもっとも大きなデメリットは、「不衛生になりやすい」という点でしょう。
先端がきつくむけにくいため、尿・汗・垢・精子のカスが亀頭と包皮の内側にびっしりと付着し続けます。
皮をむくと痛い、亀頭がしみるなどの理由から、皮をむいて洗わない人も少なくありません。
非常に不衛生な状態が維持されるため、においを発する、のり状(ペースト状)に汚れがべったりと付着する恥垢(ちこう)がたまる、それによって炎症などの病気を引き起こす要因となります。
ペニスはとても汚れやすい箇所のため、包皮口が狭い人でも入浴時になんとかして洗う努力をなさることをおすすめしています。
男性としての自信が持てない
前述した通り、包皮口が狭いことでペニスの成長が妨げられて大きさに自信が持てない、包茎の状態が恥ずかしい、という男性は多くおられます。
また、勃起した際に包皮口の狭さが亀頭や陰茎に食い込み、女性の膣への挿入がつらい、動かしにくい、痛みによってセックスそのものが楽しめない、などの悩みも生じます。
ペニスの見た目や機能面で男性としての自信が持てず、女性に対して消極的となる傾向にあります。
介護をされる立場になった時に困る
介護を受ける立場となったときも、包皮口が狭いことはデメリットになります。
いわゆる「シモの世話」を受ける際、スタッフや家族はペニスを洗ったり清拭してくれます。
このときに亀頭が露出できないと、中で汚れをためたままとなります。
においを発する、恥垢がたまる、やがて炎症を起こすなど、面倒をかけてしまうことに抵抗がある男性は少なくありません。
介護を受けることを想像するとむけにくい包茎は困る、という理由でクリニックへ来られる中高年男性も多くおられます。
包皮口が狭い人の解決策は?手術の必要性とは
包皮口が狭い状態を解消するには、どういった方法があるのでしょうか?
結論から言えば、自然に治すことは難しいとお考えください。
皮の先端に硬く太い輪ゴムがある状態のペニスのため、その狭さを広げていくことは容易ではありません。
その締め付け(狭さ)ごと切除してなくす、という手術による方法がもっとも安全で確実です。
手術をするメリット①衛生面でのリスクが減る
包茎手術によって包皮口の狭さが取れ亀頭が常に露出すると、圧倒的に清潔な状態が保てます。
常に外に出ていればジメジメすることなく亀頭は乾燥し、汚れをためこむ、においを発する心配がなくなります。
将来的に介護を受ける場合も、周囲に衛生面で迷惑をかける不安がなくなることは精神的に非常に楽になるでしょう。
手術をするメリット②性行為がより充実する
亀頭が露出すれば、セックス時に痛みを感じることもなく、膣を亀頭のカリ首が刺激しやすくなることで女性に満足感を与えやすくなります。
刺激に弱かった亀頭が強くなるため、早漏のペニスの改善につながります。
セックスで女性をさせやすくなり自信がつくことは、男性にとって非常に大切です。
多くの男性が、包茎手術によって「男の自信」を取り戻しています。
手術をするメリット③見た目が男らしくなる
皮がかぶったままのペニスはたとえ大きさがあっても、「子どものようなペニス」に見られがちです。
包皮口の狭さがなくなり亀頭が出てくると、いわゆる「大人のペニス」に見え、人前でも堂々と脱げるようになります。
亀頭が出せるか否か、は男性にとって非常に大きな違いがあります。
まとめ:包皮口が狭い原因は「遺伝」だけではない
ペニスの大きさや形状は体格同様、父親の遺伝的要素があると考えられます。
しかし、包皮口が狭いかどうかは、成長期にむけやすいペニスにしていたかどうかが大きくかかわってきます。
遺伝だけでなく、その後の対処が非常に大事であると言えます。
前述したようにたとえ包皮口が狭く不都合を感じるペニスであっても、包茎手術によって解消されることは多くあります。
- 「遺伝だから仕方ない」
- 「ペニスの成長期はとっくに終わっているから変わらない」
とあきらめず、私たち専門医にどうぞご相談ください。診察のうえで、きっとよいアドバイスができると思います。